肉汁つけうどん

茶色と白でまとめた開放的な店内に立つ床井さん

肉汁つけうどん 茶色と白でまとめた開放的な店内に立つ床井さん

 とにかく太い。やや平打ちの極太麺は幅1・2センチほどで、重みも感じる。まるで一本一本が独立した食べ物のようだ。口に運ぶと、小麦の風味が広がり、コシの強さと弾力に圧倒された。

 東京都多摩地区と埼玉県西部発祥の郷土料理「武蔵野うどん」の専門店。東京・高円寺の「肉汁饂飩(うどん)屋 とこ井」で店主をしていた床井英昭(とこいひであき)さん(45)が2022年2月、母の出身地の栃木市でオープンした。

 小麦粉は厳選した埼玉県産などを独自にブレンドしている。その絶妙な割合が“ゴリゴリもちもち”とした食感を生み出しているという。1番人気は「肉汁つけうどん」(830円)。だしの効いた甘めのつけ汁や、上品な脂の千葉県産「石上極豚(いしがみきわみとん)」がよくなじむ。

 ぶっかけスタイルの「ひや肉」(930円)も絶妙な麺の温度と食感にはまる人が多いという。麺は店お薦めの極太麺以外に、通常のうどんほどの太さの細麺、数量限定のひもかわ合盛りが選べる。揚げ茄子(なす)(50円)などのトッピングも迷いそうだ。

 「一つのつけ汁で何通りもの食べ方が楽しめるので、お気に入りを見つけてほしい」と床井さん。母の故郷で武蔵野うどんの魅力を広めようと本腰を入れている。

 ▼メモ 栃木市今泉町1の6の16。午前11時~午後3時。第1、3日曜、第2、4、5月曜定休。(問)0282・21・8168。