生産ラインを一望できるMC工場の生産ライン=宇都宮市内

ソリューション棟の測定機器製品ショールーム=宇都宮市

ソリューション棟の測定機器製品ショールーム=宇都宮市

生産ラインを一望できるMC工場の生産ライン=宇都宮市内 ソリューション棟の測定機器製品ショールーム=宇都宮市 ソリューション棟の測定機器製品ショールーム=宇都宮市

 精密測定機器大手のミツトヨ(川崎市高津区、沼田恵明(ぬまたよしあき)社長)は、宇都宮市内3工場の生産能力の増強と、工場全体の“ショールーム化”を進めている。世界的に検査測定の需要が高まる中、生産する測定機器を設置した自社工場の生産ラインを顧客の生産技術担当者らに公開することで、より効果的な使い方について理解を深めてもらう狙い。顧客が直面する課題解決につなげ、需要獲得に結び付ける方針だ。

 同社は宇都宮市下栗町に、長さを計るデジタルノギスなど製造の「測器工場」と三次元測定機などを造る「MC工場」、同市清原工業団地には装置の長さの標準になるリニアスケールなどを生産する「清原工場」を構える。

 電気自動車(EV)や半導体産業などの進展に伴い、世界的に高まる検査測定の需要に応えるため、同社は2018年、宇都宮市内3工場の生産体制の再整備に乗り出した。

 工場や倉庫、ショールーム棟など七つの建物(延べ床面積は計5万平方メートル超)について、23年までの5年間かけて増設や建て替えを進める。建設・設備導入の総工費は計約226億円で、生産能力を1・3~2倍に引き上げる。

 現在、計画終盤の工事が行われており、MC工場に8月、新たな部品加工棟が完成する予定。11月には、測器工場にデジタルノギス加工組み立て棟の完成を目指す。

 再整備に合わせ、「見せる工場」へ転換する。これまで非公開としてきた各生産ラインを顧客に紹介する。ものづくり現場では、製品検査の手法が世界的に変化している。生産された製品から一部を抽出して検査し、合格すれば一定数量は全品合格としていた従来のやり方から、工程ごとに全品検査する方向になっているという。

 ミツトヨを訪れる取引先の担当者も従来の品質管理に代わり、生産技術の担当者が増加。生産現場を“ショールーム化”することで、どの工程にどの測定機器を導入すればいいか、どのような使い方が効果的かなどを実際に示し、取引先の現場で生かしてもらう。

 加納孝文(かのうたかふみ)取締役常務執行役員は「解決の糸口を見いだせれば機器導入の成約率も高まる」と話している。