匠カルビ&ロースランチ

店内に立つ大塚さん

匠カルビ&ロースランチ 店内に立つ大塚さん

 きめ細かなサシが入った霜降り肉。上品な光沢が美しい。この日は奮発して「匠(たくみ)カルビ&ロースランチ」(1958円)をいただいた。

 「匠」とは「とちぎ和牛」の特上ブランドを指す。最高のA5ランクの中でも、霜降りの度合いにより上位の一部しか名乗れない。全体の1割に届くかどうかの希少さだ。

 まずは淡いピンクのカルビ。慎重に炭火で焼いて口の中に含むと、すぐに甘みとともに溶けていく。ロースは芳醇(ほうじゅん)なうま味が一気に広がった。どちらも柔らかく、舌の上で味わえる時間は短い。その分、幸せな気分と名残惜しさをかみしめた。

 卸問屋「丸金おおつか」(東京都)の直営店として1999年にオープンした。「松阪牛」など一部のブランド牛が人気だった頃から、とちぎ和牛で勝負した。「栃木の空気、栃木の水で育った牛こそ、地元の人に味わってほしかった」。店舗の総合責任者大塚昭弘(おおつかあきひろ)さん(56)が振り返る。

 提供するとちぎ和牛は同社が毎日、東京の市場で厳選して競り落としている。ステーキやハンバーグも人気という。地産地消への思いも、きめ細かく詰まったお肉だった。

 ▼メモ 栃木市大町22の55。午前11時~午後3時、午後5~10時半。不定休。(問)0282・23・2917。