宇都宮市と芳賀町が進める次世代型路面電車(LRT)の開業日が8月26日に決まった。市、町などが正式発表した2日の記者会見の記事からは、関係者の高揚した様子が伝わってきた。開業が2度延期となった末の出発に感慨もひとしおだろう。
さかのぼれば、市長選のたびにLRTの必要性が争点となってきた。巨額の税金が投入されており採算に目を光らせるのはもちろんだが、走り出すからには新たな公共交通の在り方や経済効果など、LRTの持つ可能性により目を向けたい。
一方、昨年11月の脱線事故は記憶に新しい。有識者会議による最終報告書には「走行安全上の問題はない」と記された。ただ、今後は恒常的に車両の傍らを車や歩行者が通る。
鉄道ファンではないが、車両基地にある姿を目にして胸が躍り、何度か軌道脇を車で走行してみた。複雑な信号表示など、新たな環境に慣れるまで注意が必要と感じる。LRTが描くどんな未来も安全であることが大前提。次は共存する私たちが安全に配慮する番だ。