黒とろろ定食

音響にもこだわった店内とオーナーの高根澤さん

黒とろろ定食 音響にもこだわった店内とオーナーの高根澤さん

 粘り気たっぷりのとろろと五分づき米の相性が抜群だ。自然薯(じねんじょ)特有の土っぽい香りは気にならず、どんどん箸が進む。

 オーナーの高根澤聡(たかねざわさとし)さん(45)が2015年にコーヒー店をオープン。店舗を広げる際、意外な組み合わせを狙い、栄養価が高く「山の王様」とも称される自然薯をメニューに加えた。

 自然薯を皮ごとする「黒とろろ定食」、大和芋とブレンドした「白とろろ定食」の2種類。いずれも1380円で、季節野菜の一品、自家製梅干し、ドリンクが付く。

 大量にすれないため、用意できるのは多くても1日20食程度。看板メニューとなった今、来客の6~7割がとろろ定食目当て。前日までの予約が間違いないようだ。

 東京や米国ニューヨークの音楽・飲食業界に身を置いたが、子どもが産まれたのを機に実家のある宇都宮に戻った。「コーヒーを軸にした空間づくり」にこだわる。県内外6カ所から豆を仕入れるため、焙煎(ばいせん)士ごとに異なる特徴を楽しめる。

 店内には真空管のアンプと大型スピーカー。定食を平らげた後、洋楽を聴きながらコーヒーを味わう時間が幸せでたまらない。

 ▼メモ 宇都宮市宝木本町1154の9。午前11時~午後6時。毎週火曜、第1・3月曜定休。(問)028・625・1325。