テープカットを行った運行開始式

 【宇都宮】明保地区の自治会連合会や各団体長で構成する同地区公共交通運営委員会は4日、地域内交通の試験運行を始めた。地区内外に22カ所の停留所やフリー乗降区間を設け、地域の身近な足としての活用が期待される。同日は運行開始式も行い、関係者や住民ら約70人が、新たな交通網の「門出」を祝った。

 同地区地域内交通は、9人乗りのジャンボタクシー1台で運行する。住民の利用意向に合わせ、病院やスーパーなど隣接地区の主要施設にも停留所を設け、1周11・8キロを1時間間隔で循環する。1日8便で運賃は1回150円など。試験運行は来年3月まで実施し、利用状況やルートの検証を経て、本格運行に移行する。

 式典では、210点の応募の中から選ばれた愛称「あの町この町号」命名者の表彰を行い、鶴田町、鯉沼照子(こいぬまてるこ)さんと同所、小室征一郎(こむろせいいちろう)さんの代理で妻の松子(まつこ)さんに賞状を贈呈。明保小子どもお囃子(はやし)会が演奏を披露したほか、佐藤栄一(さとうえいいち)市長や関係者によるテープカットを行った。

 同委員会の島田弘二(しまだひろじ)会長(80)は「(利用意向を聞いた)アンケート回収率が85%に上るなど、住民の後押しがあり実現できた。地域の足として定着できるよう運用していきたい」と話した。