「いろいろな人に支えられたから描けた」と語る鈴木さん=5月下旬、埼玉県草加市

鈴木喜美子さん

「いろいろな人に支えられたから描けた」と語る鈴木さん=5月下旬、埼玉県草加市 鈴木喜美子さん

 埼玉県草加市、画家鈴木喜美子(すずききみこ)さん(79)は45年間にわたり旧足尾町(現日光市)へ足を運び、「足尾」を描き続けている。両親を相次いで失った後、偶然出合った足尾銅山。光景に衝撃を受け、衝撃の訳を探そうと始めた足尾通いを今も重ねている。銅山閉山から半世紀がたった今年、鈴木さんは本県内で26年ぶり、2度目となる個展を12日から、県総合文化センターで開く。

 鈴木さんが最初に足尾を訪れたのは、1978年夏。自身の絵画教室の生徒らと写生旅行で日光を訪れた際、たまたま足を延ばした。公害の原点、銅山の歴史-。当時は何も知らなかったという。