新型コロナウイルスの感染症法の位置付けが5類に移行され約3週間。記者たちが社会の変化を伝える記事から見えるのは、コロナ禍前の日常が戻り、関係者の笑みがこぼれる風景だ。

 声を出して応援する運動会。「黙食」「前向き給食」をやめ、机の間隔を開けてグループで食べる給食。街頭にはマスクを外す姿も目立ってきた。

 そうした変化に前向きなエネルギーを感じる。一方で、コロナ禍の3年超の間に、それぞれが直面した苦境や困難、悲嘆などがあったことを思う。

 2020年4月。わが家に第2子、第3子となる双子が生まれた。早産に伴う低体重で次男は約40日間、3男は約90日間入院した。父としてわが子に会えない日が続き、母である妻の面会も制限された。大きな障壁だと感じた。

 コロナの話題や関心は減りつつある。一方、後遺症や経済的な苦境の渦中にいる人たちもいる。アフターコロナ。この3年超の出来事を風化させず、笑顔があふれる「アフター」にしなければと思いを巡らせている。