死後に角膜を提供した人たちをしのぶ県献眼者慰霊祭が28日、宇都宮市塙田5丁目の八幡山公園内の献眼顕彰碑前で行われた。遺族や県アイバンクの関係者ら約30人が参列し、献花などを通じて献眼者の冥福を祈った。
同バンクによると、これまで917人が角膜を提供し、約1800人が移植手術を受けて光を取り戻した。2022年度の県内献眼者は8人だった。新型コロナウイルスの3年間は感染対策などで献眼の申し出を断ることが何度もあったというが、「5類」移行に伴い陰性証明が不要となり、今後は再び増える見込みという。
式辞で同バンクの小倉康延(おぐらやすのぶ)理事長(71)は「崇高な遺志と遺族の温かい理解に深く敬意を表したい」と感謝を述べた。
遺族代表の壬生町七ツ石、自営業江田久雄(えだひさお)さん(64)は、1月に88歳で亡くなった父嘉直(よしなお)さんに思いをはせ、「献眼には物語と決断がある。今後も協力者が増えてほしい」と期待を込めた。