国立病院機構(東京都)は25日までに、宇都宮病院(宇都宮市下岡本町)の26人分の患者情報を外部機関に誤提供したと発表した。提供先は個人が特定できないように患者情報を匿名加工する機関で、不特定の第三者に漏れるなどの被害はないという。発表は24日。

 同機構は法律に基づき、患者の医療情報を国が認定した事業者に提供している。その後、匿名加工した情報は製薬会社や医大などで、新薬開発や副作用発見などの研究に活用している。

 今回は死亡患者の情報提供を受けた外部機関が12日、内容に疑問を持ち、同機構に指摘して発覚した。

 宇都宮病院は患者情報を8桁の番号で管理していたが、機構本部のシステムは6桁で取り扱っていたため、対象外の患者26人分が誤って抽出されたという。同機構は「事態を厳粛に受け止め、再発防止に取り組む」とコメントした。