畳の座敷にテーブルが2卓、カウンター席が5席の小さなお店。入り口のショーケースには地場野菜や卵などが並び、ちょっとした八百屋さんを思わせる。店内には演歌が静かに流れ、どこか昭和の雰囲気が漂う昔ながらの居酒屋だ。
居酒屋メニューを基本に、3月からランチ定食を始めた。定食のご飯は地元産の白米に湯津上産の黒米(古代米)をまぜて炊いている。少し赤みがかった色ともちもちした食感が特徴だ。
一押しのかつ丼は、客から売り切れていないか事前に電話がかかってくるほどの人気ぶりだ。肉厚で柔らかい豚ロースのカツに、とろっとした卵が絡み合う。少し濃いめの味付けは、黒米ご飯との相性が抜群で、夢中になってかき込んでしまう。手作りのあっさり味の漬物が箸休めにちょうど良い。
開店して40年以上。店主の藤田喜美代(ふじたきみよ)さんは「鶏皮ギョーザにエビフライ、もつ煮込みの定食もお薦めです」と話している。今の店名は、約20年前のリニューアルオープン時に「お客さんが和んでくれるお店に」という思いを込めて息子が命名した。最近は20~30代の若者もよく訪れるという。
▼メモ かつ丼は715円▽大田原市中央2の16の3▽営業時間 午前11時~午前0時▽定休日 月曜▽(問)0287・23・5550。