町長賞の表彰を受ける構想計画所のメンバー

 【那珂川】県内外出身の若手芸術家らが参加し、小砂(こいさご)地区を舞台に開かれた「第4回小砂環境芸術祭 KEAT2023」最終日の7日、小砂地区コミュニティセンターでクロージングセレモニーが開かれ、表彰式などが行われた。

 新型コロナウイルス禍での1年延期を経て4年ぶりの開催となった今回は、10人の作家と1組の制作集団が審査の対象になる彫刻や絵画、オブジェといった作品を出品。県内在住のベテラン作家ら5人も空間芸術作品などを展示した。

 町馬頭広重美術館の大野正勝(おおのまさかつ)館長(66)らの審査で、都内などで活動する制作集団「構想計画所」(前野智彦(まえのともひこ)所長)が町長賞に輝いた。同集団は山林内の木や石にラップフィルムを巻き付けた作品を制作。前野所長は「人間の関与で自然の多様性がどう変わるかを表現した。草刈りなどで地域住民が協力してくれた。参加できて良い経験になった」と話した。

 セレモニーの冒頭で参加者らは、期間中に病気で亡くなった芸術祭特別顧問で久那瀬在住の画家渡辺豊重(わたなべとよしげ)さんに黙とうをささげた。大野館長は「豊重さんが残してくれた芸術祭を末永く続けていきたい」と述べた。