農林水産大臣賞に選ばれた和地さん

 【那珂川】小砂(こいさご)、農林業和地秀美(わちひでみ)さん(67)が本年度の全国林業経営推奨行事(大日本山林会主催)で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。所有林での優良材の生産や作業道整備による低コスト化、森林資源の有効活用、後継者育成などの取り組みが評価された。和地さんは「先祖が代々、森林を守り育ててくれたおかげ。感謝したい」と喜んでいる。

 大日本山林会は1962年から、森林の適正管理や林業の技術・経営の改善などに努める経営者らを表彰する全国林業経営推奨行事を実施。本年度の農林水産大臣賞には和地さんを含めて全国8の個人や団体、企業が選ばれ、11月に東京都内で表彰式が行われる。

 和地さんは馬頭高卒業後、家業の農林業に従事し約48ヘクタールの山林を所有。間伐中心に均等な年輪幅の付加価値の高い木材を生産し、これまでに数々の賞を受賞したほか、地形を生かした作業道の開設などにより効率的な搬出を行ってきた。

 町内の木質バイオマス発電所などに積極的に木材を搬入し、森林資源のフル活用にも挑戦。また地元の示現(じげん)神社の宮司としてホンサカキを山林に植栽し、神葬祭や玉串用に販売している。県内外の大学生らの農林業体験や若手農家の移住の橋渡し、農家民泊による中学生の受け入れなど地域活性化への貢献も評価された。

 和地さんは77年に旧黒羽町から旧馬頭町にかけて発生した県内史上最大の林野火災も経験し、再造林など地域林業の再生に尽力してきた。「林業は高齢化や人手不足、木材価格の低迷など厳しい環境だが、これからも森林を適切に維持管理したい」と力を込めた。