【宇都宮】城山中の生徒5人が地元の多気山(多気城跡)のジオラマ模型を制作し、このほど校内でお披露目した。地域の文化財への理解を深めようと、放課後学習クラブの活動として作った。今後、教材として活用されるほか、11月に大谷公園近くの旧市営駐車場へ移築される「旧大谷公会堂」で展示する考えだ。
ジオラマを作ったのは、2022年度の1年生、小針夏輝こばりなつき)さん(13)、鈴木胡羽(すずきこはね)さん(13)、鈴木咲人(すずきさきと)さん(13)、鈴木愛莉(すずきあいり)さん(13)、福田真碧(ふくだまお)さん(13)の5人。昨夏のふるさと学習で多気不動尊について学び、さらに理解を深めようと取り組んだ。
昨年10月に制作を開始。城山東小などの元校長大塚雅之(おおつかまさゆき)さん(63)の指導を受け、毎週水曜の放課後に作業した。等高線図を基に、発泡スチロールの板を標高ごとに重ねて地形をかたどった。その上に緑や茶色など6色のカラーパウダーを付け、木々や道路などを配置した。
約5カ月かけて完成。2500分の1の縮尺で、幅90センチ、奥行き90センチ、高さ30センチ。土塁や堀を緻密に表現し、スケールの大きな山城を見事に再現した。
細かい作業が多く、つらさも感じたという5人は「頑張ってみんなで協力してできた。達成感があった」「地元への理解が深まった」などと完成を喜んだ。
放課後学習クラブを運営する同校地域協議会の大森則男(おおもりのりお)会長(60)は「城山の地名は多気城からきている。もっと地元に興味を持ってもらい、次世代につなげてほしい」と話した。