記念盾を受け取る上位入賞者ら

清水爽さん

記念盾を受け取る上位入賞者ら 清水爽さん

 【宇都宮】労働災害防止をテーマにした「安全三行詩コンクール」の授賞式が2月下旬、宇都宮労働基準監督署で行われた。井口恵貴(いぐちえみたか)署長から上位入賞者3人に記念盾が贈られた。

 同署管内で2022年に発生した労災事故は1044件で、17年に比べ2倍程度増加した。同コンクールは労災防止策の一環として初めて開催。市内の中学生を対象とし、三行詩を通じて安全な労働や自身の将来について考えてもらい、家族の事故抑止につなげる。

 3校の生徒計400人から応募があり、最優秀賞には一条中2年の清水爽(しみずそう)さん(14)の「毎日家族のために大変な仕事ありがとう でも一番大切な仕事 それは事故やケガなく家に帰ること。」が輝いた。そのほか優秀賞は2人、5人が入選となった。

 作品は栃木労働局ホームページに掲載するほか、同署管内の百貨店やスーパーなど商業労働災害防止協議会の会員企業の店頭に掲出し、労災防止の呼びかけに活用する。

 入賞者は次の通り。
 優秀賞 豊田浩大朗、鷲見紗菜(一条3年)▽入選 斎藤夢歩(姿川2年)大江伶奈、伊藤巴、正木友馬、青山真悠(一条1年)

普段は言えぬ感謝、詩に

 最優秀賞を受賞した清水さんは、働く家族への感謝と無事の帰宅を願う思いを詩に込めた。「直接言うのは恥ずかしい。こういう形で感謝の気持ちを伝えられてよかった」とはにかんだ。

 事故やけがをせず帰宅することが「一番大切な仕事」と言う。「家族と笑顔で暮らしたい」と初めての三行詩作りに取り組んだ。「両親や祖父母が働きに出る姿をいつも見てきた。これからも安全に、仕事を頑張ってほしい」と家族を気遣った。