本年度での閉鎖が決まったJAおやまの稚蚕飼育所。老朽化が進んでいた

 【小山】JAおやまは6日までに、ふ化した蚕の幼虫「稚蚕」を育てる県内唯一の稚蚕飼育所(北飯田)を本年度で閉鎖することを決めた。養蚕の衰退に伴う農家の減少・高齢化と施設の老朽化が理由で、新年度からは群馬県内のセンターに飼育を委託する。小山の伝統産業である養蚕や絹織物生産を支えた拠点がまた一つ消える。

 稚蚕は菌に弱いため、多くは温度や湿度が管理された飼育所で人工飼料を与えて一定期間育ててから、養蚕農家に出荷される。全国で飼育所の閉鎖が相次ぎ、同JA以外の県内農協は昨春から同センターに委託。県内一の繭生産量を誇る同JAも1年遅れで合流する。

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