東野哲也教授

 補聴器が使えない、過去に耳の手術を受けたが聴力が改善しない-。そうした理由で難聴を放置している人もいるのでは。難聴は認知症発症のリスクを高めることもあり、放置は禁物だ。人工聴覚器の新たな選択肢として「人工中耳」と「骨導インプラント」が加わり、栃木県内でも装用の手術が始まっている。両手術の第一人者で国際医療福祉大病院耳鼻咽喉科の東野哲也(とうのてつや)教授は「補聴器が使えず諦めている人も多いが、放置せずにチャレンジを」と呼びかける。3月3日は「耳の日」。聞こえを見直してみよう。

 東野教授によると、難聴は(1)外耳、中耳の問題で音が小さく聞こえる「伝音難聴」(2)内耳やそれより奥の神経系に障害があり、音がゆがんだり、聞き取れなくなったりする「感音難聴」(3)伝音難聴と感音難聴が重複し、高齢者に多い「混合性難聴」-がある。

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