2023年度県当初予算案を発表する福田知事=9日午前10時20分、県庁

 栃木県の福田富一知事は9日、2023年度県当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比300億円(3.0%)減の9786億円で、3年ぶりに1兆円の大台を下回った。「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」の終了などにより歳出が減った一方、新型コロナウイルス対策費が全体を押し上げ、総額は過去3番目の規模となった。県誕生150年記念事業と先進7カ国(G7)関係閣僚会合に伴う取り組みや、とちぎ国体・とちぎ大会のレガシー(遺産)継承、若者・女性に魅力的な地域づくりなどに重点を置いた。

 記者会見で福田知事は予算案を「ふるさととちぎ いちご王国進化予算」と命名。県誕生150年やG7会合を控え「古里を見つめ直し、本県の魅力を国内外に発信する好機。いちご王国を開化から進化に導く思いを込めた」と述べ、「開化予算」と名付けた22年度予算からの発展を強調した。

 コロナ関連は1671億円を計上。感染症法上の5類移行を5月8日に控えるが、政府の具体的方針が見通せない中で対応に万全を期すため、予算規模は22年度比で約1割減にとどまった。コロナ禍からの反転攻勢を図り、海外旅行客の誘客や職業人材育成、ニーズに合う米作りに力を注ぐ。

 23年度末の財政調整的基金残高は533億円の見込み。臨時財政対策債を含む県債残高は23年度末に1兆1668億円となる見通し。