食べる前から山椒(さんしょう)の良い香りが漂い、頬張ると絶妙な塩気と一緒に山椒の爽やかな味が広がる。
世界遺産「日光の社寺」門前町で山椒の加工食品を製造・販売する柏崎商店は昨年、国道の拡幅工事に伴い店舗をリニューアルした。これまでは商品の販売のみだったが、新たに飲食の店舗を併設した。
おむすびは、同店の看板商品「木の芽さんしょ」のおいしさを堪能できる一品。3代目の柏崎智(かしわざきさとし)さん(41)は「先細りしてしまう商品なので少しでも食べる機会を作り、郷土の食べ物を残していきたいと思った」と話す。
もともと物産展などで商品の魅力を伝えるため、おむすびを試食で提供していた。さまざまな料理に合う木の芽さんしょだが、ご飯との組み合わせが最もシンプルにおいしさが感じられるという。
おむすびは、中と外に木の芽さんしょを使い、丁寧に三角形に握る。柏崎さんは「多くの人に試食してもらいながら、より山椒の良さが引き立つよう試行錯誤した」と話す。
湯波が入った豚汁なども提供しており、現在はテイクアウトのみの販売。今後、準備が整い次第店内での飲食が可能となるという。
▼メモ さんしょお結びは、小・中が350円、大が370円▽日光市下鉢石町797の1▽営業時間 午前11時~午後6時▽定休日 火、水、木曜(不定休あり)▽(問)0288・54・0086