今回は昭和基地(きち)で設営(せつえい)作業を行っている機械(きかい)チームの隊員(たいいん)を紹介(しょうかい)します。
人が南極(なんきょく)で観測(かんそく)をしたり、生活をしたりしていくためには、電気を作ることが欠(か)かせません。昭和基地では年に一回、南極観測船「しらせ」で日本から燃料(ねんりょう)を輸送(ゆそう)し、その燃料を使って発電機(はつでんき)で電気を作っています。
昭和基地には2台の発電用エンジンがあり、500時間ごとに交互(こうご)に運転しています。1時間当たり240キロワットの発電をすることができ、基地全体の電気を賄(まかな)っています。まさに昭和基地の心臓(しんぞう)部といえる場所です。
発電を担当する高木佑輔(たかぎゆうすけ)隊員と発電機をメンテナンスする柳澤聡(やなぎさわさとし)隊員に話を聞きました。
昭和基地にある発電機用エンジンは、2台のエンジンが交互にずっと稼働(かどう)しています。正常(せいじょう)に発電できるようにするためには、およそ3年に1回、エンジンを分解(ぶんかい)して点検(てんけん)を行う必要(ひつよう)があります。昭和基地にあるエンジンは、これまで10回も分解して点検を行った、年季(ねんき)の入ったエンジンです。
この発電用エンジンは、一度分解してメンテナンスするのに2週間くらいかかります。作業中は発電室の中はエンジンの熱(ねつ)で温度が35度くらいになり、大きな音がずっと鳴っています。とても暑く、耳せんをしながら行う大変な作業です。また、日本国内のように失敗(しっぱい)してもすぐ部品が届(とど)くわけではないので、より慎重(しんちょう)な作業が必要となってきます。
昭和基地ではエネルギーを無駄(むだ)にしないために、発電で出た排気(はいき)ガスを基地の温水や暖房(だんぼう)に使っています。もし、この排熱(はいねつ)を利用しなかったら暖房用のボイラーを新たに設置(せっち)する必要があり、化石燃料を消費(しょうひ)することになるためです。
このように、環境(かんきょう)に配慮(はいりょ)しながらも、人が観測(かんそく)や生活をするために、設営隊員が観測隊員を支(ささ)え、南極観測は成(な)り立(た)っています。
ほかにも、昭和基地の働(はたら)く車や雪上車を管理(かんり)している森戸毅(もりとつよし)隊員(本県出身)と吉澤悠生(よしざわはるき)隊員のインタビューを動画にしていますので、ご覧(らん)ください。