あずき生ロールケーキ

飯塚健人さん

あずき生ロールケーキ 飯塚健人さん

 しっとりふわふわした生地の中に、ちょうどいい甘さの生クリームとこしあん、大納言小豆の蜜煮が共存する。材料にも作り方にもこだわった、和洋折衷の人気スイーツだ。

 繊細な生地は、小麦粉の分量をギリギリまで少なくし、卵黄と卵白を別々に泡立てる「別立て法」により生まれる。生クリームは風味と口溶け、余韻のバランスを取るために3種類を、あんこは北海道十勝産をそれぞれ使用している。

 「千年(ちとせ)屋」の創業は江戸時代末期の1861年。先代は旧馬頭町で温泉まんじゅうなどの和菓子を作り、馬頭温泉の湯治客や地元住民らに長年親しまれてきた。

 5代目の飯塚源一(いいづかげんいち)さん(56)が「もっとお客さまに喜んでほしい」との思いから、ケーキなどの洋菓子を取り入れた。あんこと生クリームの相性の良さを生かしたあずき生ロールケーキは15年ほど前に誕生し、店一番の人気商品となった。

 現在は6代目の健人(たけと)さん(33)が父の意思を引き継ぐ。地元産のフルーツを多用するほか、那珂川町のイメージキャラクターをかたどった「なかちゃん最中」などを考案。健人さんは「和洋の良いところを引き出し、他にはない物を作っていきたい」と力を込めた。

 ◆メモ あずき生ロールケーキは1300円▽那珂川町馬頭1915の1▽営業時間 午前8時半~午後6時半▽定休日 月曜(月曜が祝日の場合は翌日)▽(問)0287・92・2200