「淳生君にもきっと、ももクロの声が届いている」−。那須町の雪崩事故で犠牲になった大田原高山岳部の高瀬淳生さん(16)=矢板市荒井=が事故前、チケットを手に入れていたアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のライブ。顔認証付きのチケットは無効になるところだったが、主催者側の計らいで友人ら5人が写真や数珠を手にライブを見届けた。

 9日、埼玉県内であったライブ。高瀬さんは、会場で着るTシャツも購入して心待ちにしていた。親族が主催者側に事情を伝えたところ、対応してもらえることになった。

 会場に足を運んだのは高瀬さんと行くはずだった友人の男子生徒(16)、兄悠生(ゆうき)さん(20)ら5人。会場では、淳生さんが見るはずだった光景を目に焼き付けた。「どこかで見ているはず」。ライブが終わった深夜、再び高瀬さん宅を訪ね、数珠を返し、祭壇にももクログッズを供えた。

 悠生さんは高瀬さんが着るはずだったTシャツを着た。「メンバーやスタッフの方などの優しさがあふれていた」と振り返る。母の晶子さんは「チケットが使えるよう匿名で情報を寄せてくれた人もいた。皆さんに感謝したい。そして、すてきな友だちがいることがうれしい」と息子の思いを代弁した。