【電子号外】 船村徹さん文化勲章 塩谷町出身 作曲家「王将」「矢切の渡し」

 政府は28日、2016年度の文化勲章を作曲家船村徹(ふなむらとおる)さん(84)=塩谷町出身=ら計6人に贈ることを決めた。本県関係者では日光市出身でソニー創業者の井深大(いぶかまさる)さん(電子技術)らに続く快挙となる。作曲家の受章は1956年の山田耕筰(やまだこうさく)以来2人目。都内で記者会見した船村さんは「私個人が頂戴したというのは恐れ多く、大先輩たちの忘れ物を拾って届ける役だと思っている。今まで通り大衆芸能のお手伝いをしていきたい」と喜びを語った。

 作曲家生活に入って間もなく70年。手掛けた楽曲は5千曲を超える。「東京だョおっ母さん」「王将」「なみだ船」「矢切の渡し」「兄弟船」と数々の名曲を世に送り出してきた希代のヒットメーカーに最高の栄誉が贈られた。

 1932年船生村(現塩谷町)生まれ。49年、旧制今市中(現今市高)から東洋音楽学校(現東京音楽大)ピアノ科に進学。盟友となる作詞家高野公男(たかのきみお)と出会い、空前の大ヒットとなった「別れの一本杉」などを生み出した。56年に病没した高野との活動期間はわずか7年間だったが、船村さんにとっては今も創作の支え。今回の受章についても「彼(高野)の功績」と語る。

 多忙な創作活動の傍ら、歌手の北島三郎(きたじまさぶろう)さんや鳥羽一郎(とばいちろう)さんらを育て、日本作曲家協会長、日本音楽著作権協会長を務めるなど音楽界の発展にも貢献してきた。

 客員論説委員を務める本紙での呼び掛けがきっかけとなり、今年から新たな国民の祝日「山の日」が誕生した。総合プロデューサーとして記念歌「山の日の歌」を制作するなど今も情熱は衰えていない。

 本年度の文化勲章は船村さんのほか、今年のノーベル医学生理学賞に決まった大隅良典(おおすみよしのり)さん、現代美術家草間弥生(くさまやよい)さん、九州大名誉教授中野三敏(なかのみつとし)さん、国立遺伝学研究所名誉教授太田朋子(おおたともこ)さん、小説家平岩弓枝(ひらいわゆみえ)さんに贈られる。親授式は11月3日に皇居で行われる。

 ■船村徹さん略歴

 ふなむら・とおる 本名福田博郎(ふくだひろお)。1932年船生村(現塩谷町)生まれ。今市中(現今市高)卒業後、49年に東洋音楽学校(現東京音楽大)入学。53年に作曲家としてレコードデビュー。56年にコロムビアレコードの専属となり、戦後初のミリオンセラーとなった「王将」など数々の作品を生み出す。78年にフリーとなった後も「風雪ながれ旅」「兄弟船」「矢切の渡し」などヒット曲多数。

 日本作曲家協会長、日本音楽著作権協会(JASRAC)会長など歴任。95年紫綬褒章、2002年県民栄誉賞、03年旭日中綬章、05年塩谷町名誉町民、08年文化功労者、14年名誉県民。

 現在、JASRAC名誉会長、日本作曲家協会最高顧問、全国「山の日」制定協議会顧問、下野新聞社客員論説委員。神奈川県藤沢市在住。

【電子号外】船村徹さん文化勲章(10月28日)
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