戦時中に動員された朝鮮人犠牲者の遺骨を返還するよう厚労省、外務省の担当者(右側)に求める市民団体=19日午後、国会

 戦時中に動員された朝鮮人犠牲者の日本にある遺骨を韓国の遺族に返還するよう求める市民団体が19日、国会内で厚生労働省、外務省と交渉した。東京・祐天寺など全国の寺に約千人の遺骨があるが、厚労省は「返還に向け人道的見地から韓国政府と交渉したい」と従来の回答を繰り返し、具体的進展はなかった。

 厚労省は冒頭、把握する朝鮮人軍人軍属の動員数を24万3992人と明らかにした。遺骨奉還宗教者市民連絡会など3団体は「動員したのは当時の厚生省。責任を持って遺族の元に返すべきだ」と求めた。

 京都・舞鶴港で終戦直後に旧日本海軍の輸送船が爆沈した「浮島丸事件」では、死亡した朝鮮人の遺骨280人分が祐天寺に保管されたままだ。