岐阜県は19日、同県土岐市の障害者施設「県立はなの木苑」で昨年、職員14人が利用者の頭を小突くなどした虐待行為に関し、組織の風通しの悪さなど複数の要因が重なった結果、虐待が見過ごされてまん延する風土が醸成されたと原因分析する報告書を公表した。

 県はこれまで利用者18人に対する計40件の虐待行為を認定していた。第三者委はカメラの映像確認や、職員への聞き取り調査を実施。虐待場面に居合わせても他の職員が注意する様子がみられないケースが確認されたことなどから「全体のチームワークや信頼関係の構築が不十分だった」と指摘。また専門的取り組みが不足しているとし、職員の人権意識向上などを求めた。