介護士として働いていた佐賀市の老人ホームで5月、入所者の男性(87)を踏み付ける暴行を加え死亡させたとして、傷害致死罪に問われた元職員下津浦弘平被告(36)の裁判員裁判で、佐賀地裁は17日、「安心して生活できるはずの介護施設で、守られるべき立場の被害者が暴行を受け死に至った」とし、懲役9年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。

 判決理由で山田直之裁判長は、男性のベッド上での動きを知らせるセンサーが繰り返し反応し、業務が終わらないと焦り事件に至ったと指摘。「経緯に同情できる点が全くないわけではないが、十数年間もの経験を有し適切な対応が取れたはずだ」と非難した。