性犯罪事件の裁判で、大阪地裁堺支部が被告の男と被害女性の氏名を秘匿すると一度は決定しながら、後に取り消していたことが17日、分かった。被告を実名で審理してほしいとする女性側の申し出を受け、地裁支部は「被告の秘匿を取り消す場合、被害者情報も開示する必要がある」と検察側に説明。現在は女性の匿名審理が続いているが、今後、同支部が女性の氏名も開示する恐れがあり、プライバシー保護の観点で適切と言えるか議論を呼びそうだ。
法務省は刑事訴訟法の条文上、被告の匿名だけを取り消すことは否定されないとしている。
刑訴法は、性犯罪被害者らの申し出を受けた検察官が裁判所に通知し、氏名や住所など、被害者の特定につながる事項を法廷で明らかにしない決定をすることができると定める。「被害者特定事項秘匿制度」といい、法務省によると、秘匿する情報の範囲は検察官が被害者の意向を確認し、裁判所が決定する。
最高裁によると、年間4千~5千件程度の秘匿決定がある一方、2024年に決定が取り消されたのは2件のみ。
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