日本のお茶の輸出量が２０２５年１～１０月の累計で１万８４トンに急増し、１９５４年以来、７１年ぶりに年間１万トンを超えることが１３日、農林水産省などの統計や業界団体の資料で分かった。健康志向の高まりを背景とする海外での抹茶ブームや円安が追い風となった。半面、国内では生産量減少もあって品薄になっており、最も一般的な煎茶やペットボトル飲料の価格が上昇している。

　１～１０月の輸出量は前年同期と比べ４４％伸びた。１１、１２の２カ月を残して２４年の年間実績８７９８トンを大きく上回り、９年連続で増える。輸出先は米国が最も多く、全体の約３割を占める３４９７トン。大半が抹茶などの「粉末状緑茶」だった。２位以下は台湾、タイ、ドイツと続いた。

　一方、有数の産地である鹿児島県の経済農業協同組合連合会（ＪＡ鹿児島県経済連）によると、県内の市場で１０、１１月に取引された「秋冬番茶」の平均価格は１キロ２５４２円で、前年の約６倍に急騰した。秋冬番茶はペットボトル飲料に使われることが多い。