JR秋葉原駅の山手線ホームで、刃物で切り付けられたとみられる人を搬送する消防隊員ら(右)=昨年1月

 JR山手線外回りの御徒町―秋葉原を走行中の電車内で2024年1月、乗客5人を包丁で刺すなどして負傷させたとして、殺人未遂や銃刀法違反の罪に問われた無職小野真紀被告(27)の裁判員裁判で、東京地裁は12日、懲役12年(求刑同18年)の判決を言い渡した。弁護側は心神喪失状態だったとして無罪を主張していた。

 新井紅亜礼裁判長は、犯行時に統合失調症の影響があったことは否定しがたいとした一方「責任能力の減退が著しいものではなかった」として完全責任能力を認定。「強固な殺意に基づく極めて悪質な犯行だ」と非難した。被害者のけがの程度が重くないことを踏まえ、量刑を判断した。