【北京共同】中国広東省深センで12日まで2日間の日程でアジア太平洋経済協力会議(APEC)の高官会議が開かれ、中国の馬朝旭外務次官は来年の議長国として加盟国・地域と協力してアジア太平洋地域の発展に取り組む考えを表明した。中国外務省が発表した。日中関係筋によると、日本からは外務省の渡辺滋・経済局審議官が出席した。

 高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を巡り日中関係が冷え込む中、2国間交流は官民ともに停滞している。中国がAPECを通じて対日関係にどう対処するかが焦点となる。

 中国はAPECに加盟する台湾の頼清徳政権を独立派と見なして敵視しており、台湾への対応も注目される。

 高官会議にはAPEC加盟国・地域の当局者のほか産業界や学界などの関係者ら計約200人が出席した。「アジア太平洋共同体の建設、共同繁栄の促進」を来年のAPECのテーマとし、「開放、革新、協力」を「三つの優先分野」と位置付けるとする中国の提案を採択した。