市販薬乱用経験者の頻度

 せき止め薬や解熱鎮痛薬などの一般用医薬品(市販薬)を過去1年以内に乱用目的で使った経験がある高校生のうち、約10%は週に数回以上使用したと回答したことが12日、厚生労働省研究班の2024年度調査で分かった。高校生の乱用経験は1・4%(約70人に1人)と推計された。若年者の薬の過剰摂取(オーバードーズ)が問題となる中、乱用頻度を初めて算出した。

 調査を取りまとめた国立精神・神経医療センターの嶋根卓也研究室長は「医療機関につながることができるのはごく一部。日常的な乱用者の中には、依存症の治療や支援が必要な生徒がいる可能性がある」と指摘した。経験率に地域差はほとんどなく、乱用問題は東京や大阪など大都市圏に限らず、全国的な広がりがあるとみられる。

 調査は24年9月~25年2月に実施し、約5万1千人から有効回答を得た。過去1年間に市販薬を「ハイになるため、気分を変えるため」に規定量や回数を超えて使用したことがあるかどうか尋ね、乱用経験率を推定。全体では1・4%で、男子は0・9%、女子は1・7%だった。