厚生労働省などが入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関

 厚生労働省の審議会部会の報告書案ポイント

 厚生労働省などが入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関  厚生労働省の審議会部会の報告書案ポイント

 全国で増え続ける身寄りのない高齢者への支援を巡り、対策を検討してきた厚生労働省の審議会部会の報告書案が11日、判明した。日常生活に加え、入院時や葬儀の手続きを支えるため、新たな制度を創設する。社会福祉協議会などが実施主体になることが想定され、市町村にも取り組みを促す。

 1人暮らしの増加や親族のつながりの薄れなどを背景に身寄りのない高齢者は増加している。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には全世帯に占める高齢者単身世帯の割合は2割を超える。単身高齢者を支援する民間サービスもあるが、料金が高く利用しづらいケースもあり、公的な支援の強化が必要と判断した。来年の通常国会で関連法改正を目指す。

 対象者は頼れる身寄りがいない高齢者の他に、認知症や知的障害者など判断能力が不十分な人。新制度では(1)金銭管理や重要書類の預かり(2)病院や施設に入る際の契約手続き支援(3)葬儀、家財処分の手続き―などを担う。低所得者らは無料または低額で利用できるようにすべきだとした。