2024年の衆院選と同時に実施された最高裁裁判官の国民審査で、意思確認なしに代理投票が行われ精神的苦痛を受けたとして、視覚障害のある宇佐美達也弁護士(52)が静岡市に100万円の損害賠償を求めた訴訟は10日、静岡地裁で和解が成立した。
訴状によると、宇佐美氏は24年10月、期日前投票で静岡市の葵区役所を訪れた。職員2人が付き添い、うち1人が用紙への記入や投票を担当した。国民審査で「裁判官名を読み上げてほしい」と伝えると、既に票を投じたと告げられたという。
和解条項には、市が意思確認の手順が十分でなかったと認め、自筆投票が困難な有権者の投票機会に万全を期すよう関係団体に周知することが盛り込まれた。
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