宮崎県串間市発注の公共工事に関する2023年実施の指名競争入札で、特定の設計会社に有利な指名業者選出案を作成させたなどとして、官製談合防止法違反(入札妨害)罪などに問われた前副市長福添忠義被告(82)に宮崎地裁は10日、「故意、共謀が認められない」として無罪の判決を言い渡した。求刑は懲役1年6月だった。
共謀したとして起訴された「久米設計」(東京)の当時の九州支社長と営業担当者、福添被告の知人男性は、いずれも執行猶予付きの有罪判決が確定していた。実際には久米設計ではなく、県内の業者が落札した。
検察側は、秘密事項の選出案を知人男性に教えたのが同法の「公正を害すべき行為」に当たると主張したが、設楽大輔裁判長は判決理由で「親しい知人に選出方針の概要を伝えたに過ぎない」と判断した。
福添被告は3人らと共謀し、23年4月に実施された市消防庁舎新築工事の指名競争入札で、久米設計に落札させようと、有利な選出案を市職員に作成させるなどしたとして起訴されていた。
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