高知市春野町の弘岡地区で栽培される伝統野菜「弘岡カブ」の収穫が始まった。歯触りと甘さが魅力で、漬物にして食べる冬の味覚だ。主要な農家は現在3世帯のみで希少な食材となっている。
直径20センチほどで約1キロが平均的なサイズ。70年以上弘岡カブを扱う同市の漬物店「石元食品」によると、稲の裏作として江戸時代から生産してきた。先代社長の石元健二さん(76)は「味付けの重要度は2割ほど。シャキシャキ感と甘さが命だ」と言う。
水はけの良さや、盆地特有の昼夜の寒暖差が栽培に適しているという。畑でカブを掘っていた山脇忠一さん(91)は「大きく育った」と満足げな様子だった。
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