東北大大学院医学系研究科の学生で医師だった男性=当時(29)=が2015年、自殺したのは大学が重い研究業務を課した上、学外の病院で長時間労働をさせたのが原因だとして、遺族が大学に約8500万円の損害賠償を求めて仙台地裁に提訴したことが8日、分かった。同日の第1回口頭弁論で大学側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、男性は研修医として3年間病院に勤務後、15年4月に研究科に入学。准教授から割り当てられた研究を進めながら、マウスの管理や研究室の事務作業を担当した。さらに大学から指示され、地域の病院で診療や検査のアルバイトをさせられた。うつ病を発症し、9月に自殺。直前約1カ月間の時間外労働は193時間を超えていた。