ノーベル化学賞に決まった北川進京都大特別教授が開発した「金属有機構造体(MOF)」が、発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)の除去に役立つと注目が集まっている。授賞理由にも分離技術への応用可能性が挙げられ、研究を進める東邦大の今野大輝准教授(化学工学)は「有害なPFASだけを狙った除去が可能になる」と期待を込める。
MOFは活性炭などと同じ、無数の穴を持つ「多孔性材料」の一種。金属や有機物を組み合わせたさまざまな形状があり、細かな穴に物質や気体の出し入れが可能だ。
PFAS除去に用いられる物には活性炭がある。今野さんによると、活性炭は穴の形状が不規則なため、汚水に混ざった他の有機物が穴に入り込むと性能が落ちてしまう弱点があった。
MOFは規則的な構造をしているため、穴の大きさを対象のPFASに合わせることで素早く効率的に除去できる。他の物質が混ざった水では、活性炭の5~10倍ほどの性能を発揮する。
MOFは活性炭とは異なり、PFASの「官能基」と呼ばれる部分にも作用し、より完全な除去が可能になる。
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