栃木県内でドラッグストアの競争が過熱している。県外に拠点を置く“新興勢力”の出店が相次ぎ、業界大手も県内初進出に向けて準備を進める。各社はどのような戦略で出店攻勢を強めているのか、そして業界にとって栃木県はどういった市場なのか-。下野新聞デジタルが各企業や専門家に取材すると、栃木県ならではの背景も見えてきた。各ドラッグストアの最新の動向を交えて報告する。

(前編は、栃木県のドラッグストア市場の全体像や、出店攻勢を強める地方発の企業の動向などを報じます)

■業態全体が右肩上がり

 栃木県内のドラッグストア市場は成長を続けている。経済産業省がまとめた2024年の商業動態統計情報によると、県内のドラッグストア業態全体の販売額は前年比4・5%増の1771億6300万円。前年比プラスは10年連続となった。月別の速報値でも、直近の8月まで50カ月連続のプラスとなっている。

 県が公表している大規模小売店舗立地法に基づく届け出台帳を下野新聞デジタルが調べたところ、近年はドラッグストアの新規出店が目立つ。