栃木市にゆかりのある傑作の再びの流転に、関係者に衝撃と困惑が広がっている。香港で競売に出品されることが分かった喜多川歌麿(きたがわうたまろ)の肉筆画「深川の雪」。落札者の意向次第では権利の関係で、市が制作した高精細複製画が今後展示できなくなる恐れがあり、市は対応に頭を悩ませる。歌麿のまちをPRする市民団体や美術専門家も「日本の芸術界にとって大きな痛手だ」と深刻に受け止め、「国外流出だけは防げないか」と手だてを模索している。