戸塚純貴

 演出助手の青年を演じる戸塚純貴

 舞台「マイクロバスと安定」のメインビジュアル

 戸塚純貴  演出助手の青年を演じる戸塚純貴  舞台「マイクロバスと安定」のメインビジュアル

 10月スタートのテレビドラマ2本に出演し、存在感を増す俳優の戸塚純貴が、11、12月に7都県で上演される舞台「マイクロバスと安定」に出演する。「観客の前で緊張しながら生のお芝居をして、自分を試す。演劇でしかできない経験です」と意欲を燃やす。

 竹中直人と生瀬勝久による演劇ユニット「竹生企画」の新作。小惑星の衝突で数年後に人類が滅ぶと判明し、一時の混乱を経て平穏を取り戻した世界を描く。自宅の稽古場で活動を続ける演出家(竹中)を、古い知人(生瀬)とその娘(飯豊まりえ)が訪ねてくる。戸塚は混乱期に演出家に拾われて以来、助手を務める青年を演じる。

 戸塚自身も東日本大震災が転機となり、それまで興味のなかった芸能界に飛び込んだ。「危機に直面して本当に大事なものが見えてきたり、生き方が変わったりする心理はよく分かる」と共感を寄せる。

 現在は俳優が天職と感じているようで「3年後に世界が終わるとしても、やめられない」。特に情熱を注ぐのがコメディーだ。映画「マスク」などで知られる俳優ジム・キャリーを目標に、表現力を磨いてきた。

 今回も、軽妙な演技に定評のある竹中と生瀬の役作りから多くを学んでいる。「頭で考えて演じるのではなく、相手の芝居をきちんと見て、聞いて、反応するのが大事だと改めて感じた」。2人の掛け合いは「圧巻」だという。「人と人が本気でぶつかる面白さを、劇場で味わってください」

 【舞台「マイクロバスと安定」の公演予定は次の通り。11月8~30日東京・本多劇場、12月5~7日兵庫県立芸術文化センター、10日広島・JMSアステールプラザ、13日熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール、19日盛岡・トーサイクラシックホール岩手、21日岩手・久慈市文化会館アンバーホール、23日青森・リンクステーション青森、27日新潟・長岡市立劇場】