県環境森林部は27日、日光市木和田島の井戸から環境基準値を超える発がん性物質「トリクロロエチレン」を検出したと発表した。健康被害は報告されていない。

 日光市が9月3、12日に実施した地下水質調査で、2井戸から環境基準値の1リットル当たり0・01ミリグラムを上回る0・061ミリグラムと0・016ミリグラムを検出。このため県と同市が同月29、30日に周辺の27井戸を調査したところ、1井戸で0・014ミリグラムを検出した。

 発生源は特定できておらず、定期的な調査を続ける。県は井戸水を飲用しないよう指導し、周辺住民に地下水汚染の周知を図っている。

 トリクロロエチレンは金属の洗浄剤などに使用される。発がん性物質に分類され、肝臓や腎臓への障害などを引き起こす恐れがある。