世界大会で金賞に輝いたチーズ「大田原」を手がけた高橋夫妻

 【大田原】9月にフランスで開かれたチーズの世界大会で、「デーリィーファーム富士山」(小滝)の高橋雄幸(たかはしゆうこう)社長(46)と妻ゆかりさん(45)が手がけたウォッシュチーズ「大田原」がグランプリなどに次ぐ金賞に輝いた。2人は「那須地域の生乳を使ったチーズが世界で評価されて何よりうれしい。地元への恩返しにもつながる」と喜んでいる。

 大会は2年に1度、フランス・トゥールで行われる国際チーズコンクール「モンディアル・デュ・フロマージュ」で、日本から正式に出品するのは今回が初めて。チーズの世界的な組織「ギルド協会」の日本支部が取りまとめ役となり、衛生条件などの審査を経て全国から6品のチーズを選出。そのうちの1品として「大田原」が選ばれた。

 大会は世界中のチーズ職人が約2千点のチーズを出品。審査員が味や見た目などの指標の下、100点満点で評価した。平均点が76・96点だったのに対し、「大田原」は90点という高得点を記録。テクスチャー(食感)は満点だった。

 出品に際しては、香りや味などを左右するチーズの「外皮」の状態に最も注意を払ったという。8月下旬の出荷日から審査会場に到着するまでの期間を考慮して作り込んだ。

 「地域の人から愛されるように」との思いが込められたチーズ。高橋社長は「大田原を世界に発信できた。地元の子どもたちが、チーズ職人という職業に興味を持つきっかけになれば」と期待した。ゆかりさんは「立ち上げからコツコツと努力してきたことが評価された。より高品質なチーズを作っていきたい」と力を込めた。

 「大田原」は900円。同社直売所「大田原チーズステーション」(中田原)や、道の駅那須与一(なすのよいち)の郷(南金丸)などで販売している。