【大田原】宇田川の北那須浄化センターで、ヤギによる除草試験が行われている。県の委託で浄化センターを維持管理しているとちぎ建設技術センターが、敷地内の一角にヤギを放牧。職員が見守りながら除草効果を検証している。4日に開くイベント「北那須浄化センターのつどい」では、来場者が見学できるようにする予定だ。
除草試験は9月、北那須浄化センターの水処理施設増設予定地で始まった。雑草が生えた約2千平方メートルにヤギ3頭を放牧し、10月末までを予定。効率的な除草方法の検討として職員5人のグループが担っている。
自然に囲まれた同センターは年2回、機械による除草作業を実施している。ただ刈ってもすぐに生え、除草には多くの時間と労力を要するのが実情。供用開始から40年以上が過ぎ、樹木も繁茂しているが、剪定(せんてい)や除草を頻繁に行うのは予算的にも難しいという。グループリーダーの石川恭子(いしかわきょうこ)さん(30)は「景観的にも良くなかったので」と今回の試みについて説明する。
ヤギは那須高原りんどう湖ファミリー牧場から借りており、いずれも雄で名前は「ソフト」「クリーム」「ドラ」。3頭が休める小屋や定期的に水がたまる水場を職員が手作りしたほか、見守りカメラも設けている。職場環境にもいい影響をもたらしているといい、もともと動物好きの石川さんは「癒やされている。かわいくて仕方ない」と目を細める。
3頭を見学できる4日のイベントを前に、斎藤美明(さいとうよしあき)場長(63)は「下水道への理解が広がるきっかけにもなればいい」と期待している。除草試験後は、結果を踏まえ実用性を検討するという。