市街地に出没したクマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」を巡り、クマが生息する栃木県内9市町で対応マニュアルが未策定であることが26日までに、下野新聞社の取材で分かった。緊急銃猟は法改正に伴い9月から可能になり、国はマニュアル整備を推奨しているが、知見や人員不足などを理由に進んでいない。一方、こうした状況を受け県は同日、市町の参考となる手引きを本年度内にも策定する方針を明らかにした。

 緊急銃猟では、クマなどの危険鳥獣が人の生活圏に侵入し、人への危害が差し迫った場合に限り、銃による駆除が認められる。環境省は7月、実施の流れなどをまとめたガイドラインを公表し、対応マニュアルの策定を促進している。

 県ツキノワグマ管理計画の対象地域は足利、栃木、佐野、鹿沼、日光、矢板、那須塩原、塩谷、那須の9市町。マニュアル策定を終えた自治体はなく、大半が「検討中」だ。