【宇都宮】8月に東京都などで開かれた国内最大規模とされるピアノコンクール「第49回ピティナ・ピアノコンペティション」全国大会で市内のピアノ教室の5人が受賞した。大舞台で練習の成果を発揮した5人は「この結果に満足せず、さらなる高みを目指す」と意欲的だ。
同コンペティションは全日本ピアノ指導者協会が主催し、全国約270カ所で予選が開かれる。宇都宮大付属小5年五味渕健心(ごみぶちけんと)さん(11)はソロ部門C級(小学6年以下)で金賞を受賞した。バロック、クラシック、ロマン、近・現代の課題曲4曲を演奏した五味渕さんは「緊張したがきれいな音を奏でることができた」と最高賞を笑顔で振り返った。最近は自主的に練習を始めるなどピアノへの向き合い方が変わり、今回の好成績につながったという。
同じくソロ部門C級で銅賞に輝いた宇都宮大付属小6年落合心弥(おちあいまなや)さん(11)は「ホールに響くような音が出せた。練習よりうまく弾けたのでうれしい」。小学3年からピアノを始め、レッスンで納得できないと人一倍練習に打ち込む姿勢が大舞台で頑張れた原動力になった。
五味渕さんと連弾中級A(1人は中学3年以下)に挑み、ベスト賞の成績を収めた陽北中1年町井心温(まちいしおん)さん(12)。五味渕さんと息が合った演奏を披露し、「練習通り集中して楽しく弾けた」。緊張を和らげようと舞台裏でジャンケンするなどリラックスして課題曲に臨み、「やり切った」と充実した表情を浮かべた。
連弾中級B(1人は高校3年以下)でベスト賞を勝ち取ったのは作新学院中等部3年菊池純玲(きくちすみれ)さん(15)と宇都宮女子高1年小林由衣花(こばやしゆいか)さん(15)。菊池さんは「ステージに立って弾き終わるまであっという間だったが、音は響いてきた。(ベスト賞は)ちょっと悔しいので、今後もレベルアップを図りたい」、小林さんは「同じ曲でもピアニストによって音色が全く違うのがピアノの魅力。技術的な面を向上させたい」と話していた。