横浜大空襲で見た光景を描いた絵を前に「後の世代にあの戦争を伝えたい」と語る増田成之さん=4月15日、横浜市戸塚区(木田亜紀彦撮影)

空襲後の戸部駅周辺の様子(横浜都市発展記念館所蔵)

横浜大空襲で見た光景を描いた絵を前に「後の世代にあの戦争を伝えたい」と語る増田成之さん=4月15日、横浜市戸塚区(木田亜紀彦撮影) 空襲後の戸部駅周辺の様子(横浜都市発展記念館所蔵)

 神奈川県庁本庁舎、横浜税関、横浜市開港記念会館の「横浜三塔」に迫る猛火。その背後で、黒煙が巨大な壁のように立ち上る-。

 増田成之(ますだしげゆき)さん(99)=同市戸塚区=がキャンバスに描いたのは、横浜大空襲で見た光景だ。

 1945年5月29日。父の経営する同市鶴見区の鉄工所で後片付けをしていた。空襲警報が鳴った。しばらくして、B29爆撃機の大編隊が襲来し、自宅のある同市西区の空に黒煙が上がった。「煙が墨のように空を染め、夕方のように真っ暗だった」