【ベネチア共同】イタリアで開催中の第82回ベネチア国際映画祭で、コンペティション部門に選ばれたドウェイン・ジョンソン主演作「THE SMASHING MACHINE」が上映された。1997年に日本で発足した総合格闘技イベント「PRIDE」で活躍した実在の格闘家マーク・ケアーの伝記映画で、日本が主要な舞台の一つだ。
特殊メークを施し、ケアー役に挑んだジョンソンは、記者会見で「彼は地球上で最も偉大なファイターでありながら、最も親切で優しい人という矛盾に満ちた存在だ」と語った。
物語はエミリー・ブラントが演じる恋人との関係を軸に、“男らしさ”の象徴として見られていた屈強な格闘家が内に秘めていた繊細さ、もろさを描き出す。ブラントは「男が拳を突き上げる映画ではない。90年代の『男性性』とは何だったかを考えさせる作品だと思う」と話した。
東京で開催されるPRIDEの大会の場面で登場する布袋寅泰をはじめ、意外な日本の著名人も出演。
ケアーが鎮痛剤依存を乗り越えようとする姿や、親友の格闘家マーク・コールマンとの友情も胸に響く。ジョンソンは「単なる格闘技の話ではなく、彼の葛藤や恋人との愛を描いた。特別な作品になった」と熱弁した。