第27回参院選は20日、投開票された。栃木選挙区(改選数1)は、自民党現職の高橋克法(たかはしかつのり)氏(67)=公明党推薦=が30万1100票超を獲得して3選を果たした。次点の立憲民主党新人の板津由華(いたづゆか)氏(37)とは約3万5千票差だった。栃木選挙区の投票率は53・56%で、前回2022年の46・98%を6・58ポイント上回った。

07年の定数削減後では前回に並び最多となった6人で争われた。参院選全体の勝敗を左右するとされる32の1人区の一つで、結果が注目されていた。
高橋克法氏は自民党や石破政権に対する逆風に苦しみながらも、農業政策や防災減災、インフラ整備などを訴えて回った。高根沢町長の実績や、現職の国土交通副大臣であることもアピールし、商工農業といった約230の団体から推薦を得て支持基盤を固めた。
終盤にかけて板津氏との接戦が報じられる中、閣僚らが続々と応援に入った。後援会総連合会会長の福田富一(ふくだとみかず)知事や、自民県連会長の茂木敏充(もてぎとしみつ)衆院議員もこれまで以上に熱を入れた運動を展開した。
板津氏は県内最大の労働者組織「連合栃木」の支援を受けて挑んだ。積極的に街頭演説をこなし、交流サイト(SNS)での情報発信を強化したが、全県的な知名度不足が最後まで響いた。党幹部が相次いで応援に駆け付けてこ入れを図ったが、及ばなかった。
参政党新人の大森紀明(おおもりのりあき)氏(54)は、党への全国的な追い風も味方につけ着実に支持を広げた。街頭演説をSNSでライブ配信するなどして有権者に浸透。若年や保守層を取り込んだが、届かなかった。
共産党新人の福田道夫(ふくだみちお)氏(66)は立候補表明が出遅れたことも響き、共産支持層以外への広がりを欠いた。公示当日に立候補を表明した無所属新人の笠間信一郎(かさましんいちろう)氏(76)、前回参院選に続き2度目の挑戦となった政治団体「NHK党」新人の高橋真佐子(たかはしまさこ)氏(60)の支持も一部にとどまった。
「皆さんのおかげ」安堵の表情
「高橋克法(たかはしかつのり)の力ではなく、皆さんの力のおかげだ」
議席を守り抜いた自民党現職の高橋克法氏(67)は、宇都宮市戸祭町の選挙事務所に詰めかけた支持者らを前に、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

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