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 栃木県が生産量日本一をほこるかんぴょう。県外では「かんぴょう巻き」で知られるが、原料をよく知らないという声も聞く。かんぴょうは今、どうやって作られているのか-。作業を効率化させる最新鋭機器がお披露目されると聞き、一目見ようと、かんぴょう作りの“聖地”に向かった。

 夏を迎えた壬生町では、かんぴょうの出荷に向けた「かんぴょうむき」の作業が本格化している。

 栃木県のかんぴょう作りの発祥の地とされる壬生町。県干瓢商業協同組合などによると、1712年、江戸幕府の命で下野壬生城主に国替えとなった鳥居忠英(とりいただてる)が、旧領地の木津(現・滋賀県)から種を取り寄せて栽培したのが始まりと言われている。その後、産地は現在の下野市や上三川町など県南東部の一帯に拡大。本県の生産量は全国の99%も占めるようになった。

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 そもそも、かんぴょうは何からできるのか。

 かんぴょうとは「干瓢」の文字通り、干した「瓢(ふくべ)」。丸々と太ったユウガオの実をむき、乾燥させたものがかんぴょうとなる。

 6月下旬、壬生町羽生田の農業法人mf(みずのえファーム)の加工場を訪ねた。この日、改良版のかんぴょうむき機が披露された。

 実は、かんぴょうの生産現場は“窮地”に陥っていた。