東京都港区の芝浦地区と、臨海副都心を結ぶレインボーブリッジは首都のシンボル的存在だ。上層は首都高速、下層は臨港道路と新交通システム「ゆりかもめ」が走る二重構造で、約1・7キロに及ぶ遊歩道を備える穴場的散策スポットでもある。心地よい潮風を浴びながら海上散歩を楽しんだ。
ゆりかもめの芝浦ふ頭駅を起点に約5分歩くと、遊歩道の入り口がある「芝浦アンカレイジ」に達する。南北二つのルートのうちノースルートを選んでエレベーターで7階へ上がると、なぜか俳優の織田裕二さん扮する某刑事の有名フレーズが頭をよぎる。ここは映画「踊る大捜査線」でもおなじみの場所だ。
時折、ジョギング中の人たちとすれ違いつつ、探検気分で歩を進める。東京タワーや東京スカイツリー、都心の高層ビル群が広がる開放的な景色に胸が躍った。
約20分行くと「デックス東京ビーチ」など商業施設や、高級ホテルが周囲に立ち並ぶ都心のリゾート「お台場海浜公園」に着いた。マリンスポーツを楽しめる憩いの場で、伊豆諸島の神津島の砂が使用された約800メートルの人工砂浜では、砂遊びや日焼けを楽しむ人もいた。
公園内にあり、絶好の記念撮影スポットとなっている自由の女神像を訪ねて“なんちゃって海外気分”を高めた後、近くの商業施設「ダイバーシティ東京 プラザ」へ。広場では、圧倒的な存在感を放つ「実物大ユニコーンガンダム立像」に外国人観光客らがスマートフォンを向けていた。
日没を待ちしばらくすると、レインボーブリッジが涼しげな白色にライトアップされた。同じく照明で彩られた遠景の東京タワーと、目の前の海で色とりどりに輝く船とが光の三重奏を織りなす。旅情を感じ、今度はお台場側のきらめく夜景を堪能できるサウスルートで帰路についた。
【メモ】遊歩道の通行時間は4~10月が午前9時~午後9時、11~3月が午前10時~午後6時。通行料は無料。